兵庫県 / 平成16年台風第23号

ライフライン被害状況

防災行政無線の整備状況

兵庫県は県域が広く、山間部が多いため、防災行政無線の整備には多額の経費が必要となる。そのため、同報無線が整備されていたのは85市町村(当時)中、31市町村であった。

豊岡市における避難情報伝達の状況

1. 防災行政無線

豊岡市は防災行政無線を整備しており、85%の世帯に個別受信機が設置され、 屋外拡声器も整備されているなど、最も伝達手段が整った市の1つであった。 豊岡市は、防災行政無線を使って、避難勧告を発令する前、15時5分には 「市では、豊岡公民館、八条公民館などの各地区の公民館を開けています。浸水などのおそれがある場合は、 各公民館をご利用ください。」との放送を行い、自主避難を呼びかけた。 18時55分の避難勧告を告げる無線の内容は、次のようなものであった。
「過去にない雨量になっています。今後、河川の増水により、床上浸水のおそれがあります。 市では、奈佐地区、港地区を除く市内全域に避難勧告を発令しました。」しかし、
 ・屋外拡声器の音がよく聞こえなかった、
 ・放送内容に緊迫感がなく、危険性が伝わらなかった、
 ・423台の戸別受信機が浸水により、使用不能となった、
 ・避難勧告の意味が伝わらなかった
など、問題点も指摘されている。

2.住民団体を通じた情報伝達

豊岡市の75%の区では、早くから役員が集まり、また、連絡を取れる体制を整えており、 58%の区では独自の判断で自主避難を呼びかけるなど、地域レベルでの対応が活発に行われた。 避難勧告が発令された区のうち、至急の避難を呼びかけた区は46%であった。

3.コミュニティFM・ケーブルテレビ

豊岡市のコミュニティFM「FMジャングル」では、きめ細やかな被害状況を放送したが、停電により放送できなくなった。

4.広報車

広報車は道路冠水のため、ほとんど動けなくなった。

その他の市町における対応状況

温泉町も、ケーブルテレビで情報提供を行ったが、停電のため2時間しか放送できなかった。また、都市部では、ほとんどの住宅が防音構造のため、避難勧告、指示がうまく伝わらなかったとの指摘もある。

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