平成28年度 高病原性鳥インフルエンザ

発生状況

概要

   2016年(平成28年)11月28日、H5N6亜型のウイルスによる高病原性鳥インフルエンザが青森県下で発生した。本亜型のウイルスによる発生は日本では初めてであったが、高病原性鳥インフルエンザの国内発生としては、2014年12月から翌年1月にかけて発生したH5N8亜型のウイルスによる流行以来、およそ2 年ぶりのことであった。その後、本年3月までの約4か月間に、青森でさらに1例、新潟及び宮崎で各2例、北海道、熊本、岐阜、佐賀、千葉、宮城で各1例の合計12例の発生が確認された。
   今回、初の国内発生の原因となったH5N6亜型のウイルスは、2013年に中国江蘇省で初めて検出され、その後翌2014年にはすでに中国国内に広く蔓延していたと考えられている。そのため日本においても、特に野鳥の秋の渡りのシーズンには他のH5亜型のウイルス同様、その国内侵入に一層の警戒を強めていたところであった。
   そのような状況下で、2016年10月28日、まず韓国において先に、野鳥の糞便からH5N6亜型のウイルスが検出され、それが瞬く間に全国に広がって、合計発生件数383件、殺処分羽数3,787万羽を数える過去最大規模の流行となった(平成29年5月末時点)。一方、日本においても、野鳥等においては過去最多となる218例の発生が確認された。このことは、この時期、日本にも韓国と同様に、家きん農場への極めて高い、本ウイルスの侵入リスクが存在していたことを示している。

発生農場の特徴

   平成28年度の高病原性鳥インフルエンザ(H5N6 亜型)の発生農場は、北海道から宮崎県にかけて全国に分布し、また初めて、東北、北陸及び北海道の農場で発生が確認された。野鳥(野鳥の糞便、飼育鳥類等を含む。)については、過去最大規模となる 218例でウイルスが確認され、その分布は、家きんでの発生と同様に北海道から九州まで広範囲であった。
   発生農場の周辺環境に関し、農場周辺における水辺の有無について発生農場と非発生農場を比較分析した結果、発生農場では周辺に水辺のあることが有意に多いことが示された。
   このため、今回の家きんにおける発生に関しては、ウイルスに感染した野鳥が農場周辺に飛来し、農場周辺の環境中のウイルス(野鳥を含む野生動物が保有するウイルスやその排せつ物に含まれるウイルス)が増加することで、家きん舎へのウイルス侵入の機会や量が増えていたと考えられた。

国内における高病原性鳥インフルエンザの発生・検出状況

これまでの発生及び防疫対応状況について

出典
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