平成30年度 CSF(豚コレラ)

対応状況

岐阜県で発生した豚コレラの対応状況

<1例目>
(岐阜市内の一貫農場)
・飼養頭数:610頭(繁殖79頭、肥育531頭)
・9月9日に豚コレラの患畜確定、11日に防疫措置完了
・10月9日24時に移動制限区域解除済み

<2例目>
(岐阜市畜産センター公園)
・飼養頭数:23頭(肥育2頭、子豚21頭)
・11月16日に豚コレラの疑似患畜確定、同日、防疫措置完了
・12月14日24時に移動制限区域解除済み

<3例目>
(岐阜県畜産研究所)
・飼養頭数:503頭(繁殖67頭、子豚436頭)
・12月5日に豚コレラの疑似患畜確定、7日に防疫措置完了
・制限区域内で新たな発生が認められなければ、1月4日24:00 移動制限区域解除予定

<4例目>
(関市内のいのしし飼養施設)
・飼養頭数:いのしし22頭・12月10日に豚コレラの疑似患畜確定、11日に防疫措置完了
・制限区域内で新たな発生が認められなければ、1月8日24:00 移動制限区域解除予定

<5例目>
(岐阜県立の岐阜県農業大学校)
・飼養頭数:10頭(繁殖3頭、肥育7頭)
・12月15日に豚コレラの患畜確定、16日に防疫措置完了
・制限区域内で新たな発生が認められなければ、1月13日24:00 移動制限区域解除予定

<野生いのししの検査状況>
・12月18日までに岐阜県内で549頭を検査し、陽性77頭、陰性472頭。(岐阜県以外では145頭検査し、全て陰性。)

岐阜県で発生した豚コレラの対応状況

1例目
   1例目の農場は9月3日に異状畜の届出があったが、ヒアリングや飼料の購入記録等から、遅くとも8月上旬にはウイルスが侵入していたと考えられる。現地調査では当該農場の周囲に柵はなく、排水溝や排水処理設備もないことから、1日に発生する尿量約400リットルをおが粉に吸収させている状況で、作業では水道の使用を極力制限していたという。堆肥は農場内の堆肥場に一定期間蔵置し共同堆肥場に持ち込まれていた。専用長靴や踏込消毒槽は設置されていたが、水道使用の制約から洗浄がどこまで徹底していたかは疑問が残る。一方、排水溝等がないことから、農場敷地から漏出したために排水を介して農場内のウイルスが外部に流れ出る可能性は否定できない。

2例目
   岐阜市畜産センター公園では、発生があった畜産エリアと公園内道路を挟んで公園エリアがあり、ここでは植物園や野外バーベキュー場等に多数の人が集まり、飲食をする機会も多い。公園周辺の山塊にはイノシシが生息しており、公園内でもイノシシの掘り返し跡が各所で確認されている。公園内にあるゴミ置き場は野生動物との接触を防止する構造にはなっていなかった。

3例目
   3例目の岐阜県畜産研究所は美濃加茂市に所在するが、関市内にある同施設の関連施設は、多くの感染イノシシが確認されている大洞地区内にあり、人や車両の行き来も確認されている。さらに、発生豚舎内では、豚舎出入り口からのカラスなどの野鳥の侵入が認められており、豚舎内で多数の糞便やペリット(口から吐き出される木の実などの不消化物)が確認された。管理区域内に立ち入る際にはシャワーを浴びた上で、着衣、長靴ともに専用の物を着用していたが、豚舎毎の更衣、長靴の履き替えは一部豚舎にとどまっていた。 また、当該施設は県の関連施設であったことから、施設の獣医師を家畜防疫員に任命して監視・採材等を行い、家畜保健衛生所による立入検査を行っていなかった。

4例目
   4例目の農場(イノシシ飼養施設)では、1~3例目の農場との疫学的な関連は現時点では認められていない。他方、飼養管理者は、野生イノシシの捕獲調査のためのわなの見回りなどを行っていた。 飼養イノシシには、施設前に置いたカゴに周辺の畑作農家が自由に入れていく野菜くず(里芋の親芋、白菜くずなど)を洗浄等を行わず与えていた。また、飼養エリアに屋根がなく飲水は露天となっており、野鳥等の施設内への侵入も可能で、野鳥による飼料の盗食が確認されていた。

5例目
   5例目の県農業大学校は教育を目的として、家畜飼養施設(豚、乳用牛及び肉用牛)の他、畑や果樹園を有している。施設から近隣の山林までは住宅地となっているため、以前から校内の畑や果樹園等でイノシシの被害はなかったとのこと。ただし、敷地内ではイタチのような小動物の糞が認められていた。豚舎周辺には3段の電柵が設置されており、作業時を除き24時間通電していた。加えて、飼養管理区域全体をスチールメッシュで覆う工事の実施中であった。

出典
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