長野県・岐阜県/御嶽山噴火災害(平成26年9月)

災害発生状況

災害の概要

火山活動状況(9月27日の噴火)

御嶽山では、9月27日11時52分頃に噴火が発生しました。噴火発生時は視界不良のため山頂付近の状況は不明でしたが、中部地方整備局が王滝村滝越(剣ヶ峰の南南西約6km)に設置している滝越カメラによると、火砕流が南西方向に3kmを超えて流下しました。気象レーダーの観測によると、噴煙は東に流れ、その高度は火口縁上約7,000mと推定されます。御嶽山で噴火が発生したのは 2007年以来です。
この噴火の直前の11時41分頃から連続した火山性微動が発生し、その後振幅の増減を繰り返しながら継続しています。
28日に中部地方整備局並びに陸上自衛隊の協力で実施した上空からの観測では、剣ヶ峰山頂の南西側で北西から南東に伸びる火口列から活発な噴煙が上がっていることを確認し、赤外熱映像装置²)による観測によりそれらの火口付近の高温域を確認しました。噴火はこの火口列から発生したとみられ、大きな噴石が火口列から1kmの範囲に飛散していることを確認しました。火砕流は発生しましたが、地獄谷付近で樹木等が焦げたような痕跡は認められませんでした。
気象庁で降灰の拡がりについて聞き取り調査を行った結果、御嶽山の西側の岐阜県下呂市萩原町から東側の山梨県笛吹市石和町にかけての範囲で降灰が確認されました。
東京大学地震研究所の現地調査によると、御嶽山の北東山麓を中心に降灰が確認されました。
産業技術総合研究所の分析によると、噴出した火山灰には新鮮なマグマに由来する物質は認められなかったことから、今回の噴火は水蒸気噴火であったと考えられます。

2)赤外熱映像装置は、物体が放射する赤外線を感知して温度を測定する測器で、熱源から離れた場所から測定することができる利点がありますが、測定距離や大気等の影響で実際の温度よりも低く測定される場合があります。


御嶽山 噴火発生時の震動データ及び傾斜データの状況
・火山性微動の発生に伴い、剣ヶ峰山頂の南東3kmの田の原観測点で北西上がり(山側上がり)の変化を、その約7分後の 11時52分頃に南東上がり(山側下がり)の変化を観測しました。なお、南東上がりの変化には火山性微動等による変動も含まれています。

御嶽山 山頂付近の状況
(2014年9月28日14時36分、陸上自衛隊の協力により山頂南西側の上空から撮影)
・剣ヶ峰の南西側の火口列から活発な噴煙が上がっていました。

「火山活動解説資料(御嶽山)」(気象庁ホームページより)
出典
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