豪雨災害におけるコメリの物資供給体制

平成30年7月豪雨災害 緊急座談会 平成30年7月豪雨災害 緊急座談会
(聞き手)NPO法人コメリ災害対策センター 古澤
NPO法人コメリ災害対策センター 北原

古澤 被災地との話の中で、物資集積所から避難所までの仕分けがさばき切れず滞っていたということを伺いました。
 NPOでも、避難所別納品について今後具体的に仕組みを整えて行こうと思っていますが、関係各部署において課題などありますか。

石原 複数の避難所別納品を実現するには、現状の紙媒体での情報のやり取りでは限界があり、データの使用が不可欠になると思います。
 ただ、メールでは即答性に欠ける部分がありますので、ある程度の数はこれまで通り電話での受付を行い、確定後の関係各部署への伝達の際にデータで一斉送信する形が、現状に即しているでしょう。
 これを繰り返し、紙とデータ、電話でのやり取りを効率的に掛け合わせていく必要があると思います。
 また、当たり前のことですが災害はいつ発生するかわかりません。各担当が変更となった時に、引継ぎをしっかりしておくことが重要です。

阿部 配送に関することでは、まず納品先の被災状況、つまり道路状況がわかると車両の手配が速くなるということをお伝えしたいです。
 要請を受けてから衛星写真で納品先の敷地や建物を確認するのですが、被災状況まではわかりません。しかし納品に確実性を持たせるためにも、運送会社に依頼する際は必ず被害状況についての確認が必要です。駐車スペースの有無や場所が確保されているか、道路は車両がスムーズに入れるのかなどです。また、大量の物資はパレット降ろしとなる場合も多いですので、現地のフォークリフトの有無も大変重要です。
 現状は運送業者と私、そして担当との間で何度か状況確認のやり取りが発生しています。これが要請時に一度に確認できれば、より早い車両手配も可能となりますので検討いただきたいです。
 もう一つはラストワンマイルの件です。今話に出ている避難所別納品ですが、NPOとSCM部との協議の中で、まず実現が可能か、そして作業時間はどのくらいかかるか確認が必要だというお話がありました。それを受けて、現状の物資供給報告書を使用して検証を行ったところ、実現は可能であると判断させていただいています。
 ただし緊急物資ですので、スピード感を出すためには仕組みの導入が必要不可欠です。既に店舗別に仕分ける仕組みはありますから、関係各部の協力のもと、避難所別に上手く当て嵌めていくことが今後の課題となります。

お問い合わせチラシ

石原 最終的にデータ連携を目指すのであれば、物資供給報告書に入力した内容が、発注書など他の必要な資料にも反映されるデータベース形式となれば便利です。スタート地点は先方に入力していただくところにあり、そこから各部署が情報を付け足していくことで情報の流れが始まるのだと思います。
 また配送についても、納品先が複数であることで車両の手配に苦慮することも考えられます。軽車両の活用方法も含め、どう対応していくのかは重要な検討事項だと思います。

田中 物流を組む時に重要なのは、いつ何がどれくらいという物流データです。
 何事もですが、ベストからやろうと思ったらいつまでたっても出来ませんから、グッド、ベターから検討した方が良いでしょう。まずは10カ所からでもやってみることがスタートでないかと思います。そこから20、30カ所になった時にどのような仕組みが必要で、どこからデータへの切り替えが必要か、発注の方法や仕分け、車両手配にはどのような工夫が必要か見えてくるはずです。
 また人の動きも同様に、我々供給側はもちろんのこと、自治体やメーカーにどう行動していただくことが最善か、そのような部分は徐々に明確になっていくものです。

粟野 情報量が増えれば、比例して情報共有も難しくなります。SCM部としてみれば、既に北星産業とは納品日などの打ち合わせをする機会も多いですし、NPOとも要請があれば都度情報の共有を行います。各々の持つ情報を正しく共有すれば上手く行きますし、滞れば様々な部分で支障が出ます。当然ですが、いかに正確な情報を掴めるかが重要です。
 また、災害時には新しい情報の有無に関わらず定期的な打ち合わせは凄く重要で、関係者が集まり状況報告をするだけでも次の業務に繋がる点はいくつもあります。

田中 情報共有という部分ですと、北星産業は朝礼時に必要事項の伝達を行っています。こうすることで関係者以外も情報を持つことができ、何か指示をされた時に動けるような体制となっています。

古澤 災害時は状況が時々刻々と変化します。これまでのように担当者、関係者のみが状況を把握していても、今後の対応で行き詰ることも出てくるかもしれません。社内やグループでの情報共有の他に、行政に対してもいただいた要請の進捗状況などが、見える形で確認できる仕組みを作ることが必要かと思います。
 本日はどうもありがとうございました。