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台風第15号

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事前準備と想定外の被害 今後の取り組みや課題(千葉県)

【人的被害】
■死者(災害関連死):2名
■重傷者:11名
■軽傷者:73名

【住家被害】
■全壊:409棟
■半壊:4281棟
■一部損壊:71624棟
  など

台風上陸前後の対応についてお聞かせください

 台風の進路状況については随時確認を行っており、組織としては台風上陸前日の8日13時前に情報収集体制を確立していました。その後、台風上陸翌日の10日9時に、実際の被害対応をするため災害対策本部を設置しました。

1.台風上陸時の初期対応や、対策本部の活動

 災害対策本部では、水道事業体や電力事業者からのライフラインに関する情報や、県内市町村においての人的被害・住家被害等の情報収集を行いました。また、県内の多くの市町村より様々な物資の要望も挙がってきていましたので、その調整と協定締結事業者等への要請業務が必要でした。特にこの度の台風被害では、停電とそれに伴う大規模な断水が大きな問題となりましたので、病院や福祉施設等の重要施設に対しての電力と水の供給は急務でした。
 災害対策本部事務局による先述の業務のほかに、県庁の健康福祉部、企業局、病院局等が医療救護等を中心とする各種業務を担っていました。

2.マニュアルについて

 実際に業務を遂行するにあたり、事務局に必要な人員体制を取らなかったことなど、既定のマニュアルと異なる対応をした部分がありました。現在は、今回の一連の対策について検証をしながら、災害対策本部設置基準の見直しや情報連絡員の早期派遣のための体制構築など、必要な修正を行っています。それらの修正をもとに、今後地域防災計画や応急対策に係る各種マニュアル等の改定に移行していきます。

3.物資調達について

 様々な物資の調達が必要な状況でしたが、暴風による被害が特に多く出ていましたので、被災家屋の屋根に応急措置をするためのブルーシートや土のう袋等、補修関連の資材調達が主なものとなりました。
 協定締結事業者においては、発災直後から要請した物資について迅速に手配をいただき、大変助かりました。
 現地までの配送面では、千葉県では運送事業者との協定締結により、有事の際には配送に関しての協力を得られることとなっています。しかし、今回は被災地が県内広範かつ多数であったことや、物流企業側が通常業務を行う中での対応となったことから、全ての要請・配送先を賄えるだけの車両確保が困難でした。
 物資供給に関する協定のほかに石油協同組合との協定も締結しておりますので、作業や避難所で使用する燃料確保等の調整も実施しました。

  4.今後想定している取り組みや、課題について

 災害対策本部による協定締結事業者からの物資調達とは別に、県からも被災市町村に備蓄の提供を行っていましたので、現在は排出した分の補填にあたっております。この度の台風での経験を踏まえて、県が備えるべき物資の種類や数量について更に検証を加え、必要な物資の増強を行う予定です。同時に、市町村の備蓄状況についても情報共有を図っていきます。
 また対応時には数量の確保も重要でしたが、現地までの配送手段に苦慮した面がありました。ですので、現行の物資供給に関する協定に加え、車両を多数保有する事業者などとの協定締結など、災害発生時に活用可能な複数の搬送手段の確保に努めたいと考えています。

千葉県経路図 千葉県経路図

台風15号の経路

POINT
■対策・提案
運営面  ・事務局に必要な人員体制
・要請・配送先を賄えるだけの車両確保


物資面  ・補修関連の資材調達 
・作業や避難所で使用する燃料確保等の調整
・備えるべき物資の種類や数量の検証